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免税業者を直撃する「インボイス制度」について調べてみた

インボイス制度

こんにちは、FACTORY管理人の行武亜沙美(@OTASM9)です。
2019年10月1日から消費税が10%に上がると同時に軽減税率が導入されますね。

軽減税率とは:
主に物品税に変わって採用された消費税に関し、低所得者対策を目的として一部の対象品目には標準税率から軽減した税率を適用すること。
(出典:Wikipedia)

軽減税率がどんなものか掴むまでに頭が痛いというのに、2023年10月には「インボイス制度」という聞きなれない制度まで開始されます。

身の回りのフリーランスたちから「あれってなんなの…?」という声が聞こえてきたので、忘備録がわりにまとめてみました。

なお、この記事はフリーランスの目線で書いており、自分に関係あるところだけまとめています。

私は税金に明るいわけではないので、「行武はこう捉えたんだな」ぐらいに受け取っていただけると助かります。
(できるだけ正確に伝えられるように調査やヒアリングはしたつもりです)

もしミスリードしている箇所があればぜひ教えてくださいね!加筆して修正します。
…とはいえフリーランスや中小企業の人たちに影響がでることは間違いなさそうですね。

インボイス制度ってなんでできたの?

インボイス制度ができた理由① 軽減税率に対応するため

軽減税率が適用されると、
・外食は10%、持ち帰りは8%
・アルコールが1%以上の飲料は10%、1%未満は8%
など、商品によって細かく消費税が変わってきます。
(カード付きのポテトチップは10%、他のポテトチップは8%…!)

 

これまでは全ての消費税が8%(2019年8月現在)でしたから、仕入れ金額と売り上げ金額さえわかれば消費税が計算できるようになっていました。
ところが軽減税率が導入されることで、これまでの計算方法では正しい消費税が計算できなくなります。

そこではじまるのが「インボイス制度」。

不正やミスを防ぐため、こんな感じで明細ごとの適用税率・税額が記載された請求書(インボイス)の提出が義務付けられるようになります。
ちなみにインボイスを発行できるのは事業者登録番号を持つ課税業者のみ。

(出典:広報誌「ファイナンス」

インボイス制度ができた理由② 益税を排除するため

年間売上が1000万円以下の事業者の方(周りのフリーランスはここに当たる方が多いですね)は、消費税の納税、したことないですよね。
これは脱税でもなんでもなく、「事業者免税点制度」が適用されているからなんです。

年間売上1000万円以上の課税業者は、売上時にお客さんから預かった消費税から、仕入れにかかった消費税を差し引いて、残った分を国に納税しています。

インボイス制度

年間売上1000万未満の免税業者はこの納税が免除されているんですね。
ですから、売上時に回収した消費税が実質売上に上乗せされている状態になっているんです。

このように納税されずに業者の利益となってしまう税金のことを「益税」と呼びます。

元々消費税ができるとき国民の大きな反発があったことを受けてこの制度ができたようなのですが、この益税を排除することもインボイス制度の目的の1つになっているようです。(国としては漏れなく税金を回収したいですもんね…)

具体的には次の章でお話ししますが、インボイス制度を導入することで免税事業者を特定できるようになり、益税問題が根本的に解決できるという見方がされています。

【インボイス制度の目的まとめ】
①軽減税率導入後のミスや不正を防ぐため
②益税を排除するため

インボイス制度でどんな風に変わるの?

正式な形式で書かれた請求書(インボイス)が必要になる

前の図に戻ります。

インボイス制度

さきほど年間売上1000万円以上の課税業者は、売上時にお客さんから預かった消費税から、仕入れにかかった消費税を差し引いて、残った分を国に納税している…とお話ししました。

この仕入れにかかった消費税を差し引くことを、仕入税額控除といいます。
仕入れの時に消費税払ってるから、その分引いとくね。という制度。

インボイス制度ではここが重要なポイントになります。

現在は仕入先が課税業者でも免税業者でも請求書があれば問題ないのですが、今後は正式な請求書(インボイス)がないと仕入税額控除が適用されなくなるんです。
(完全に移行するのは2029年10月から)

インボイスを発行できるのは事業者登録番号を持つ課税業者だけですから、購買側はできるだけ節税できる動きをすることが予想できます。

ちょっとイメージしづらいと思うので、インボイスがある場合とない場合のシチュエーションに分けて確認していきますね。

課税業者(インボイス有)から仕入れた場合

インボイス制度

こちらは今までと同じです。
提出されたインボイスの管理は煩わしくなるかもしれませんが、納税額の計算方法は【預かった消費税ー仕入れで支払った消費税】なので変わりありません。

免税業者(インボイス無)から仕入れた場合

インボイス制度

こちらが変わるところですね。

年間売上1000万以下の免税業者はインボイスを発行できませんから、預かった消費税を丸々納税することになってしまいます。
まったく同じ商品を仕入れられるなら、課税業者と免税業者、どちらを選びますか…?

【仕入税額控除は2023年からジリジリ下がります】
■2023年10月〜2026年9月
インボイスではない請求書であっても、課税仕入れに係る消費税相当額の80%まで差し引き可
■2026年10月〜2029年9月
インボイスではない請求書であっても、課税仕入れに係る消費税相当額の50%まで差し引き可
■2029年10月以降
免税事業者からの仕入れに関しては、一切仕入額控除ができなくなる

インボイス制度で打撃を受けるのは売上1000万以下の免税業者

インボイス制度の影響① シンプルに収入が減る可能性

ここからは自分が外注を受ける側として考えていきましょう。

インボイス制度が導入された時、免税業者が取る行動として考えられるのは「消費税分を値引きする」ことです。
2019年10月から消費税が10%になりますので、単純にその分の売上が下がることが考えられます。

月20万円+消費税2万=月22万円の売上だったのが、20万円に。
年額で24万円のマイナス。(怖い…)

インボイス制度の影響② 取引から外される可能性

免税業者(インボイス無)から仕入れた場合のところでお伝えしましたが、免税業者を相手にしているクライアントの仕入税額控除は6年かけてジリジリと下がっていきます。

はじめはクライアントが新しい制度に慣れていないことで変わらず受注できるかもしれませんが、少しずつ外注を課税業者に切り替えられることも予想できますね。

知らないうちにクライアントがいなくなっている…という状態も考えられるわけです。(怖い…)

インボイス導入前に対策できることを考えてみた

これまでお話ししてきたことが私なりに調べた、フリーランスに関わるインボイス制度の内容です。
どちらにせよ苦しいことに変わりはないのですが、導入前にできることがなんだろう…と考えてみました。

まずは年間売上が1000万円未満でも課税業者として登録すること。
納税額は増えますが、取引から外されるというデメリットは回避できるかもしれません。

もうひとつは定性的な内容になりますが、「この人でなくてはならない」と指名で仕事を獲得できることでしょうか。
ヒアリングやアフターフォローを含めて、ずっと付き合いたいと思ってくれるクライアントと関係を構築しておく必要があると感じました。

副業解禁、働き方改革とは言いながら無知でやっていけるほど法律は甘くないですね。
導入はもう少し先なのでこれからのアナウンスにアンテナを貼って、自分でどんな対策を取るかしっかり考えておきたいものです。

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